[東京 9日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は後場に上げ幅を拡大し、一時7月6日以来、約1カ月ぶりとなる9000円台を回復した。前日の海外株が総じて堅調だったほか、円高の一服を受け、先物への買い戻しが加速した。

市場関係者の見方は以下の通り。

●経済実態を反映した上昇でない

<三菱UFJモルガンスタンレー証券 シニア投資ストラテジスト 吉越昭二氏>

日経平均株価は9000円台を一時回復した。これは日銀の金融政策決定会合の結果発表とタイミングが重なったが、この値動きは決定会合を受けてのものとは違うようだ。今週の先物の手口をみると、3日連続で、外資系証券から日経平均先物もしくはTOPIX先物に、大量の買いが連続で入っていた。一方で、日経平均の寄与度の高いファーストリテイリング(9983.T: 株価, ニュース, レポート)、ファナック(6954.T: 株価, ニュース, レポート)、東京エレクトロン(8035.T: 株価, ニュース, レポート)などの値がさ株に裁定買いが入っていたようだ。

例えば、ファーストリテは、7月26日から9勝1敗で上昇している。このような値がさ株買いを受け、NT倍率は8日時点で11.91倍にまで上昇している。明日のオプションSQ(特別清算指数)の清算をめがけて、ここ数週間、買い上げたファンドあるいは投資主体がいるのではないか。その結果が9000円であり、経済実態を反映した上昇とはいいがたい。SQ通過後、足元の株価水準を維持できるかは疑問符がつく。