会社員が加入する厚生年金基金の財政悪化を受け、厚生労働省は、基金が運用利回りの目標(予定利率)を引き下げる場合に、母体企業が積み立て不足分を穴埋めする期間を、現在の最長20年から30年に延ばす方針を決めた。毎年の負担を軽くし、予定利率を実情に合わせて下げやすくするねらいだ。近く通知などを改正する。

 厚生年金基金は、将来の給付水準をあらかじめ約束しておくタイプの企業年金の一つ。運用環境が良かった時代の高い予定利率のままの基金もあり、財政悪化の一因と指摘される。予定利率を下げると、将来の給付に備えた積立金が不足することになるため、母体企業はその分穴埋めを迫られる。厚労省は穴埋めにかけられる期間を延ばし、企業が支出する年ごとの額を小さくする方針だ。

朝日新聞 2012年7月21日