アナリストによると、中国のパソコン(PC)最大手レノボ・グループ(聯想集団)(0992.HK: 株価, 企業情報, レポート)は、早ければ年内にも世界シェアで米ヒューレット・パッカード(HP)を抜き、世界最大のPCメーカーとなる見通し。

中国企業がハイテク分野で世界首位の座を獲得するのは初めてとなる。

同社はノート型パソコン「シンクパッド」などを販売。中国のハイテク企業は、積極的な価格攻勢、海外企業の買収、国内市場の急成長を背景に、海外市場で急速に存在感を増している。

ただアナリストは、レノボについて、利益率を犠牲にしてシェアを急拡大していると指摘。国内のPC販売鈍化やタブレット型PC市場での競争激化が課題になると指摘している。

レノボ株を保有するアバント・キャピタル・マネジメント(香港)のエグゼクティブ・ディレクター、フレデリック・ウォン氏は「レノボが世界首位になるのは時間の問題だ。年内にそうなっても驚きではない」としながらも、タブレットPC市場の競争激化やPC販売の低迷が業績を圧迫する可能性があると指摘した。

レノボは2011年第3・四半期にパソコン販売で世界2位となった。調査会社IDCによると、4─6月の世界シェアは14.9%で、首位のHP(15.5%)との差はわずか0.6%ポイント。調査会社ガートナーの調べでは、両社の差は0.2%ポイントとなっている。

通信機器の分野では、現在世界2位の華為技術HWT.ULが2011年にスウェーデンのエリクソン(ERICb.ST: 株価, 企業情報, レポート)を抜き、世界首位に躍進するとみられていたが、通信市場の低迷、携帯電話端末の競争激化、米国市場の開拓難航で実現しなかった。

レノボは2005年に米IBM(IBM.N: 株価, 企業情報, レポート)のPC事業を買収。その後も独メディオン買収やNEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)との合弁設立などを通じて事業を拡大しており、株価は年明けの水準から約16%値上がりしている。

香港 16日 ロイター