経済産業省と環境省は12日、家電や自動車の部品に不可欠なレアメタル(希少金属)の再利用について、重点的に取り組むネオジムなど5鉱種を選定した中間報告書案をまとめた。使用済み製品からの回収率向上や再利用技術の開発を進め、日本が世界のリサイクル拠点となることなどを盛り込んだ。

 選ばれたのは次の5種。

 (1)ネオジム=電気自動車などに搭載される永久磁石の原材料

 (2)ジスプロシウム=同

 (3)タングステン=超硬工具の原材料

 (4)コバルト=リチウム電池の正極材料

 (5)タンタル=携帯電話の蓄電器などに使用

 いずれも国内自給率が0〜18%と低い上、リサイクル率も最も高いタングステンで9%と低迷している。

 報告書案はリサイクルの前提である回収について、使用済み家電製品などからの回収方法が十分に周知されていないことと指摘。回収率が約10%にとどまるパソコンでは、小売店にリサイクルを促すなど回収方法の改善を今年度中に検討することを提言した。

 さらに、リサイクルの効率性を高めるため、製品の解体やレアメタル選別の技術開発の必要性に言及し、5種について工程表を提示した。例えばネオジムでは、ドラム式洗濯機モーターや自動車の使用済みパワーステアリングモーターからの分解、取り外し技術の実証を来年度にかけて進める方針を示している。

産経新聞 7月12日