11日午前4時30分から同7時30分にかけて、尖閣諸島・ 久場島(沖縄県石垣市)の西北西約22キロなどの領海内に、中国の漁業監視船3隻が相次いで侵入したのを海上保安庁の巡視船が確認した。

 同8時5分までに3隻とも領海を出た。同11時40分現在、うち1隻は接続水域(領海の外側22キロ)内を航行しており、残り2隻は同水域外に出た。佐々江賢一郎外務次官は11日午前、中国の 程永華駐日大使を外務省に呼んで抗議した。

 尖閣諸島周辺の領海への中国公船の侵入は今年3月16日以来で、政府が今月、同諸島を国有化する方針を打ち出してからは初めて。今回の領海侵入は、中国が日本の動きをけん制したものとみられる。

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、3隻は「漁政35001」「漁政204」「漁政202」。巡視船が無線で警告したところ、「正当な業務を行っている。妨害するな。直ちに中国領海から離れなさい」という趣旨の回答があったという。

 佐々江次官は程大使との会談で、中国の漁業監視船の領海侵入について、「国際法上認められた無害通航とはみなしえず、我が国として容認できない。強く抗議するとともに再発防止を強く求める」と申し入れた。

(共同通信) 2012年7月11日