民主党は九日の常任幹事会で、消費税増税法案の衆院採決に反対し離党届を提出していた小沢一郎元代表ら三十七人の除籍(除名)を正式決定した。党員資格停止六カ月の処分方針だった鳩山由紀夫元首相については、処分案を諮問された党倫理委員会が「バランスを欠く」として再考を求めたことを受け、処分期間が三カ月に軽減された。

 野田佳彦首相と輿石東幹事長は、増税法案に反対しながら党に残る議員のうち、首相、代表経験者である鳩山氏に対しては、党員資格停止二カ月とした他の議員よりも処分を重くしていた。

 だが、北沢俊美委員長は処分案について「同一行為に対し、処分の量定に大きな差がある。六カ月は再考すべきだ」と異例の見直しを求めた。両院議員総会の開催に必要な議員の署名を集めながら、執行部がすみやかに開催しなかったことに対しても善処を促す付帯意見を提出。小沢元代表らの除名と十七人に対する党員資格停止二カ月の処分は妥当とした。

 鳩山氏の処分をめぐっては、党倫理委による処分対象議員からの意見聴取でも、異議が出ていた。執行部としては、党員資格停止の議員から新たな離党者を出さないためにも、処分軽減はやむを得ないと判断したとみられる。鳩山氏は処分決定後、記者団に「処分に関心はない」と述べた。

 党員資格停止二カ月の処分方針が出た後、小沢元代表らが結成する新党に参加するため離党届を提出した加藤学衆院議員(長野5区)については、九日の常任幹事会で除名を決定。あらためて党倫理委に諮ることになった。

 一方、十一日に新党を結成する小沢元代表は九日午後、鳩山氏と国会内で会談し、新党結成後も密接に連絡を取り合っていくことを確認した。