[シカゴ 9日 ロイター] 米農務省は9日、国内のトウモロコシと大豆の収穫について、1988年の大干ばつ以来で最悪の状況になっているとの見方を示した。穀物相場は足元で急騰しており、世界的に食料価格が再び高騰する懸念が強まっている。

シカゴ商品取引所(CBOT)では、 記録的熱波に襲われたトウモロコシと大豆の主産地である米中西部が向こう1週間は降雨に恵まれないとの見方から、穀物先物相場が急騰している。

米農務省が9日発表したトウモロコシと大豆の作柄状況は、「優」と「良」の比率が約40%となり、米国が前回に大規模な干ばつに見舞われた1988年以来で最低水準に落ち込んだ。CBOTではこの日、大豆先物相場が約3%上昇して過去最高値を更新、トウモロコシ相場も5%以上の急騰となった。トウモロコシ価格は過去1カ月で30%上昇している。

米国の穀物収穫量が減少すれば、世界の食糧供給には甚大な影響が及ぶ。米国産トウモロコシは世界全体の出荷量の半分以上を占めているほか、米国は世界最大の大豆消費国である中国にとって主要な供給源となっている。

穀物相場の高騰が食品価格の上昇となって消費者に直接波及するまでには時間的猶予があるものの、トウモロコシ価格の上昇はまず、飼料コストの増大となって畜産農家や養鶏業者に打撃を与える。また、米国産穀物の減少は、貧困国への食糧支援にも悪影響を及ぼすことになる。

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