「体内受精」の性行為、3億8500万年前に始まった 研究
AFPBB 2014/10/20

【10月20日 AFP】それは、われわれが知っているような「愛」ではなかったかもしれないが、性行為の技術は約3億8500万年前に既に発達していた──板皮(ばんぴ)類と呼ばれる骨板に覆われた魚類の化石を調査したオーストラリア・フリンダース大学(Flinders University)などの進化論科学者チームが、19日の英科学誌ネイチャー(Nature)に研究論文を発表した。

 研究チームが調べたのは、板皮類の一種「ミクロブラキウス・ディキ(Microbrachius dicki)」の化石。体長約8センチのこのミクロブラキウスは、現在の英スコットランド(Scotland)、エストニア、中国にあたる地域に生息していた。スコットランドでは1888年に最初の化石標本が発見された。

 最も原始的な有顎(ゆうがく)動物である板皮類については、これまで知られている中で最古の脊椎動物であり、人間の祖先とも考えられている。今回の研究を通じ、生命史におけるさらなる名誉を得ることになった。

 論文によると、ミクロブラキウスは、体内受精をするために交尾を行ったと考えられる最初の生物種だという。

 ミクロブラキウスの雄は、クラスパー(交接器)と呼ばれるL字型の硬い生殖突起を持ち、これを用いて雌の体内に精子を送り込んでいた。この生殖方法は、水中に放卵する方法に比べてより効率的と論文は指摘している。

 雌は小さな一対の骨を発達させており、この骨を用いて、交尾するのに適切な位置に雄の生殖器を固定していたという。

(略)

http://www.afpbb.com/articles/-/3029337

進化の歴史がまた一ページ?