2014.5.3 03:04 [産経抄]

 憲法記念日にちなんでクイズをひとつ。【第35条】○○市民は、言論、出版、集会、結社、行進、示威の自由を有する【第36条】○○市民は、宗教信仰の自由を有する。この憲法を制定した○○にあてはまる国はどこ?。

 ▼答えは、なんと中国である。憲法の通りなら北京の新聞やテレビは、新疆ウイグル自治区で起きた爆発事件を大々的に報じただろうし、温州市で完成間近のキリスト教会が破壊されることはなかっただろうが。

 ▼中国憲法の序文には、「被抑圧民族および発展途上国が民族独立を勝ち取り、それを護(まも)り、民族経済を発展させる正義の闘争を支持する」とある。確かに習近平国家主席も、独立運動家がお好きである。初代韓国統監だった伊藤博文公をハルビン駅頭で暗殺した安重根を顕彰する記念館建設を自ら指示したほどだ。

 ▼テロにはさまざまな定義があるが、暴力的手段によって政治的敵対者を抹殺した彼は、韓国政府が声高に「英雄」と宣伝してもテロリストに変わりない。そんな人物をたたえる記念館をハルビン駅につくった習主席のことだから、ウイグル族の独立運動にも理解があると思っていたのだが…。

 ▼習体制になって以来、漢族によるウイグル族に対する差別と弾圧は、日を追うごとにひどくなっている、という。抵抗運動も過激になり、3月には武装集団が昆明駅を襲撃し、大惨事を引き起こした。

 ▼習主席は、「断固たる措置をとり、テロリストを完全にたたき潰せ」と厳命した。どんな理由があるにせよ、無辜(むこ)の人々を殺傷するテロを許してはならない。ただし、テロリストを顕彰するような指導者が「テロとの戦い」を叫んでみても説得力はまるでない。テロ対策の第一歩は、ハルビンの記念館閉鎖である。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140503/chn14050303250002-n1.htm
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