2014.2.9 03:07 [産経抄]

 韓国の「日本言いつけ外交」の乱発にはもはや苦笑するしかないが、こんどは世界遺産登録がヤリ玉だそうだ。日本が目指している「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録である。韓国の外相が訪韓したユネスコ事務局長に反対を申し入れたという。

 ▼対象となる九州・山口の近代産業遺産には「朝鮮人が強制徴用された炭鉱などを含んでいる」との理由らしい。もしそうだとしても、そんな人々の苦難にも報いるための文化遺産登録なのである。相変わらず「イチャモン」としか言いようのない反対である。

 ▼先日はフランス・アングレーム国際漫画祭に韓国政府が、日本軍人が少女に暴行するとんでもない漫画を出展した。米国には「慰安婦」を米政界の中枢メンバーにまでアピール、中国には、テロリストである安重根の記念館を建てさせる。なりふり構わずだ。

 ▼それで思い起こすのは、明治40(1907)年の韓国・高宗皇帝による「言いつけ」だ。この年の6月、オランダのハーグで開かれていた第2回万国平和会議に「密使」を送り参加を求めた。韓国を保護国としていた日本の「非」を各国に訴えようとしたのだった。

 ▼だが、会議は2国間の問題を調整する場ではなかった。しかも保護国化が日韓協約による合法的なことを各国も理解していた。あまりに露骨な「言いつけ」は逆に信頼を失い、高宗皇帝の退位を招き、後の日韓併合を加速させる一因となった。墓穴を掘ったのである。

 ▼そんな1世紀以上前の例を持ち出すまでもなく、各国に「反日」を訴える戦略はいずれ間違いなく、国際社会をウンザリさせる。失敗に終わることは請け合いだ。朴槿恵大統領も安倍晋三首相に会って直接「反日」をぶつければいいことだ。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140209/kor14020903090000-n1.htm
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