米軍の装甲車1万3000台、無料で払い下げ―防衛関連企業には打撃
ウォール・ストリート・ジャーナル 2014年 1月 24日 13:08 JST

 偵察用装甲車あります。戦闘能力試験済み、へこみや銃弾による傷少々あり、無料――。

 米国防総省は1万3000台のMRAP(耐地雷・伏撃防護車両)を無償で払い下げたいと考えている。もう役に立たなくなったからだ。調達・テクノロジー・後方支援を担当する国防次官代理のアラン・エステベス氏は「MRAPを払い下げることを友好国や同盟国に通知した。欲しければ差し上げる」と話す。

 引き取り手のない装甲車はおそらくスクラップになる運命だ。サスペンションやエンジンの部品、トランスミッションなどを納入している防衛関連企業にとっては悪いニュースだ。トラックメーカーは収益が落ち込み、人員を削減しつつある。

 装甲車両はイラクやアフガニスタンの道路脇に仕掛けられた爆弾から軍隊を守る能力があるが、派兵の規模が縮小した場合でも素早く配備できる、より用途の広い車両が求められている。フルサイズのMRAP(発音はエムラップ)の重量は約4万ポンド(約18トン)で車高が10フィート(約3メートル)。新車価格は約50万ドル(約5200万円)だ。

 外国の軍隊からの引き合いは芳しくない。だが、州警察からの引き合いは活発だ。昨年8月以降、200台近くの装甲車が警察当局に払い下げられた。さらに750台の要求が保留になっている。ただし、マシンガン用のタレット(回転砲塔)を装備することの多い装甲車は個人や法人への払い下げはできない。

 オハイオ州立大学のキャンパスポリスや、サウスカロライナ州フローレンス郡などが幸運にも払い下げを受けた。フローレンス郡は保安官事務所のSWAT(特別機動隊)チームが約15年間使ってきた1970年代製造の装甲車両を交換した。新車の装甲車両を購入すれば、少なくとも1台18万8000ドルはしただろう。

 保安官事務所のジョン・クラウス氏は「値段が良かった。無料だったから。それに必要な機能を備えていた」として、「(装甲車は)銃弾を止める。(中の人間が)被弾することはない」と述べた。

(以下略)

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304402204579339644136850358.html


もし無料で手に入れたとしても燃費が悪すぎてオブジェにするか銃撃戦の盾くらいしか使い道なさそうですが