2013.7.28 03:08 [産経抄]

 漢代の中国西南地方に、夜郎という小さな国があった。ところがこの小国の王は自国を大国と思い込み、漢の使者が来たとき「漢とわが国とどちらが大きいのか」と尋ねた。以来、自分の力量も知らず尊大な態度をとることを「夜郎自大」という。

 ▼現代中国にとって北朝鮮ほど「夜郎自大」に見える国はないだろう。恐らく腹の中では「属国」と思っている国である。さまざまに援助もしてきた。それなのに「感謝」の言葉がないどころか、核実験やミサイル発射をめぐっても、言うことを聞かないのだ。

 ▼27日に「休戦60年」を迎えた朝鮮戦争をめぐってもそうだ。北朝鮮軍は国連軍の反撃で、昭和25年秋には中国との国境近くまで追い詰められた。そこへ突然中国軍が参戦し、最終的に「引き分け」にまで押し返す。ところが北は、まるで自らの力で「勝利」したように宣伝してきた。

 ▼昨日の「戦勝」記念軍事パレードでも「強い国」をアピールしていた。今年は中国の李源潮国家副主席を迎え、中国との「血の同盟」を強調する「気遣い」も見せた。だが李副主席は「血の同盟」には触れなかったといい、もう辟易(へきえき)といった感じでもある。

 ▼戦争の相手国の韓国も当初、北朝鮮の攻勢で壊滅寸前のところを、米軍など国連軍に助けられている。こちらはさすがに「戦勝」とは言わない。各国への感謝の行事も行っているそうだ。しかしプライドの高い国民性だけに、多くは語りたくない戦争のようだ。

 ▼産経新聞『戦後史開封』によれば、実は日本も海上保安庁の掃海部隊が、北の元山港で機雷除去に当たっている。米軍の強い要請からだが、犠牲者も出した。「歴史認識」がお好きな国なら、この戦争の歴史ともしっかりと向き合ってほしい。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130728/kor13072803090003-n1.htm



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