2013.6.22 03:05 [産経抄]
親子三代にわたって下町に住まないと江戸っ子と言わないそうだから、小欄に資格はないが、都議選の選挙権はある。いつも「棄権はいけない」ときれいごとを書いている手前、どんな選挙でも投票所に足を運んではいるものの、都議選は国政選挙や身近な区議選に比べてどうも印象が薄い。
▼今回も「さて、誰に入れようか」と思案していたところ、日本維新の会の橋下徹共同代表が、都議選に負ければ代表を辞める、と言い出した。参院選を占う重要な選挙とはいっても都議選は地方選にすぎない。その責任をとって、国政政党の党首が辞任するのは、スジが通らない。
▼きのう夜には「一件落着」したようだが、にわかに選挙戦が盛り上がってきた。テレビで人気者になり、政界に彗星(すいせい)のごとくあらわれた橋下氏があっという間に消えていくか、踏みとどまるかを占う一戦になったからだ。
▼維新の会は改選前の3議席から大躍進を狙って34人を擁立した。ところが、橋下氏の慰安婦問題発言をきっかけに支持率が急落。改選前議席の確保すら危ういといわれ、石原慎太郎共同代表は「大迷惑だ」と言い放った。
▼橋下氏の発言は、選挙を前に「言わなくてもいいこと」(石原氏)ではあったが、内容は大筋間違っていない。「事実誤認は正すべきだ」といった主張は大いに賛同できる。
▼残念なのは、同志であるはずの党幹部が浮足立っていることである。この程度の逆風で一致団結できないようでは、浮ついた「橋下人気」に便乗しようとしただけ、と言われても仕方がない。橋下氏だけでなく、各党の党首は何をどう訴えるのか。各候補者に都政への具体的な提案はあるのかをきょう一日、じっくりと見極めてから一票を投じたい。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130622/elc13062203060005-n1.htm
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