2013.4.20 03:21 [産経抄]
用事があって北京に2、3日行ってきた。恐るべきPM2・5だけでなく、鳥インフルエンザが北京にも上陸したとあって、1枚ン百円もする高いマスクを何枚も買い込み、いささか緊張して空港に降り立った。
▼案ずるより産むがやすしで、北京随一の繁華街、王府井でもマスクをしている人はほとんどいなかった。現地駐在の友人から「街中でマスクはあまりしない方がいいですよ。すぐ日本人とわかりますから」と忠告されたのはその後だったが。
▼反日デモが頻発し、当時の丹羽宇一郎駐中国大使が乗った車から日の丸が抜き取られた昨夏から比べれば、北京に住む日本人の環境は、よほどましになった。とはいえ、今でも日本人を見る目は厳しく、街中では日本語で声高にしゃべらないようにしているという。
▼野田佳彦前首相による尖閣諸島国有化が、愛国主義に火をつけたのは確かだが、異常な排外主義の病根は江沢民政権下で推し進められた反日教育にある。しかもその流れは脈々と続いている。
▼日本のNHKにあたるCCTVなど中国のテレビは、朝から晩まで抗日戦争ドラマを垂れ流している。傍らに芸者をはべらせた野卑な日本軍士官役は、3分に1回「バカヤロウ」と怒鳴り、部下や中国人を殴る。美男美女しかいない八路軍の兵士は、ろくな武器も持たずに何十人もの日本兵をなぎ倒す。
▼中国の知人にこっそり聞くと、抗日ドラマは当局の検閲がゆるく、視聴率もいいんだとか。これでは100年たとうが、200年たとうが、日中友好など夢のまた夢である。来月訪中する自民党の高村正彦副総裁は、習近平主席と会いたいようだが、無駄足だろう。CCTVへ行って反日ドラマの垂れ流しに抗議した方がよほど意味がある。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130420/plc13042003230004-n1.htm
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